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顎変形症(がくへんけいしょう)

顎変形症

顎変形症について


上アゴは通常、下アゴより前に出ています。でも、上アゴが前に出過ぎると 上顎前突 (いわゆる出っ歯)と言われる状態になります。また、上アゴより下アゴが前に出ると、下顎前突(受け口)といいます。  顎の骨変形によりこれらの状態が起こっている場合を顎変形症といいます。これは顎の骨に発育異常や外傷などの原因で起こります。食べ物をうまく咬むことができなかったり、発音に支障を来したり、顎の関節に音や痛みが出てきたりといろいろな問題が生じてくることがあります。

顎変形症イメージ

治療はどうするの?



歯科矯正治療で歯性の受け口や出っ歯は治りますが、顎骨の異常である顎変形症は骨の手術が必要になります。手術で骨を切り、前に出したり、後ろに下げたりして、顔貌や咬み合わせを最も理想的な位置に修正し、金属のプレートなどで固定します。
また、手術の前後には矯正治療も必要ですので、矯正科医と口腔外科医が協力して治療することになります。

治療の流れは?

治療の流れ


・顔貌の分析、X線検査、歯列模型(歯型)などから顎変形症の診断をします。また、どんな処置、手術が必要か?という判断をします。

・歯を動かすのに必要なスペースを得るために小臼歯を抜歯したり、手術の妨げになる親しらず(智歯)の抜歯などを行います。

・矯正装置を装着し、手術後に最もよい咬み合わせになるように歯の矯正をします。約1回/月 矯正科への通院が必要です。

・入院(約2週間)してもらい、全身麻酔下に手術をします。手術時間は変形の種類によって違いますが、約2?5時間です。 術後は1週間の顎間固定(口が開かないように上下の歯をワイヤーでくくります)を行います。

・術後は矯正装置で歯の微調整をします。また、後戻り防止のために、ゴムによる顎間ゴム牽引(上下の歯をゴムでひっぱります)を行います。

・金属プレート、スクリューで固定を行った場合、術後6ヶ月以降にプレート、スクリューの除去手術が必要です。外来・局所麻酔で出来ることもあります。(除去手術がいらない吸収性のプレートもあります)

上顎前突症の手術

上顎前突症の手術


下顎枝(下顎のエラの部分)をスライス状に分割して、前方に移動させてチタン製のプレートで固定する。顎がさみしければ、さらにオトガイ部(下顎の先の部分)を切って、前方へ移動せて固定する。

下顎前突症の手術

下顎前突症の手術

非対称の手術

非対称の手術

手術シュミレーション

手術シュミレーション


術前にCTデータからコンピュータを用いて、手術シュミレーションを行っています。

治療費は健康保険の適応になります



当科で顎変形症と診断されて、外科矯正治療を行う場合、入院・手術の費用は全て保険適用になります。なお、手術のための術前および術後の矯正治療も保険の適用になります。

担当:蔵原慎一

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